モノクロな僕と君


声をかけると彼はハッとしたように、

「あぁ、ごめん。なんか久しぶりにお礼言われたからボーとしちゃって。」

と言って小さく笑った。

「・・・」

「まぁ、感謝されるようなことをしてなかったからだろうけどね。」

(なんか黒龍さんって、本当は毛布かけ直してくれたり、料理作ってくれたりして優しい人のはずなのに・・・)

「そんなことないですよ。」

(まるでソレを隠すようにわざと冷たい雰囲気を出したりしてる・・・)

私がそう言うと、彼はさっきまでと違う意地悪そうな笑みを浮かべると、

「そうだ、お礼は言葉より“白愛”が良いなー。」

と私の顔を覗き込みながら言ってきて、思わず

「へ・・・??why・・・??」

と意味不明な返事を返してしまった。

「・・・」

しばしの沈黙の後、

「ぷ・・・」

「あはは!!なんでいきなり英語っ!!」

ベッドに倒れこみながら大笑いしだした彼にからかわれただけだと思った私は

「な、だって名前急に呼ぶし、変なこと言うから!!」

とつい恥ずかしさを隠すために大声で反論した。


「だって、名前で呼ぶことは大切なことなんだろ??」

ベッドに横になった状態で上目使いに静かに言われ、その可愛らしさに顔が赤くなった。

「てか、ちょっと期待した??残念そうな顔してる。」

「期待してないし、残念そうな顔もしてません!!」

(やっぱ可愛くなんてない!!)

笑いながら聞かれて彼から顔を逸らす。

「は、早く笑い終わってください!!」

まだ思い出し笑いでクスクスと笑ってる彼に背を向けて、自分も顔の火照りを冷まそうと手でパタパタと仰いだりしていると、

「??」

ふと、頭がくらっとした気がした。



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