モノクロな僕と君
「まだ寝てるのか。」
想像していたのより若く、優しそうな男性の声が頭上から聞こえ、脳内に?マークが浮かぶ。
(あれ・・・??昨日の男達じゃないよね・・・??こんな優しそうな声は出してなかったし・・・)
色々考えていると、いきなり毛布をめくられ心臓が跳ね上がる。
(起きてるってバレた!?)
と一瞬焦ったが、どうやら毛布を綺麗に直してくれているだけらしく、被っていた毛布が肩の所でまたかけられた。
直し終わるとベッドから男性の足音が遠のいて行き、バタン。と部屋から出ていく音がした。
「・・・」
部屋がさっきまでと一緒で静まり返ると、私はもう一度起き上がった。
「・・・悪い人じゃなさそう・・・」
顔は目を瞑っていたから見てないけど、優しそうな声と行動は昨日の男達とはかけ離れている。
(もしかしたら年齢もそんなに違わないかも・・・声が若かったし・・・)
「・・・」
さっき男性が出て行った扉を見る。
扉の向こうからは相変わらず料理の良い匂いが漂ってきている。
ぐ~きゅるる・・・
「!!」
緊張感のないお腹の音が部屋に響き、とっさに誰も居ないのにお腹をおさえてしまう。
(そういえば、何も食べてない・・・)
喉も乾いている気がするのは決して気のせいではないだろう。
(行って・・・みよう)
私はゴクリと唾を飲み込み、ゆっくりとベッドから下りた。
扉の前まで行き、耳を当てて外の様子を窺うが、特に物音はしなかった。
その為、今度はゆっくりとドアノブを回して扉を少し開け、直接様子を窺う。
(・・・誰も、いない??)
少しずつ隙間の幅を広げていく。