Bitter Chocolate
リビングへ行くと髪は、ワックスで無造作にセットしていて、制服も綺麗に着こなしている達也がソファーに座っていた。
ついカッコイイと思ってしまう。
「おっ、終わったか」
「うん…。」
「朝飯作って」
「…………わかった。」
実は、私は料理を作る事が苦手だ。
だからお昼がBitter Chocolateとカンコーヒーってのは、そのせいもある。
ガチャッ
どうしよう………。
卵もろくに割れない。
うーん…
まずは、パン焼こうかな……。
パンをトースターに入れ、適当に時間をセットした。また、卵にトライしたら次は、綺麗に割れて砂糖と塩を少し入れて、フライパンに流しこんだ。
あれ……
巻けない。
結局、卵焼きは、いり卵になる結果。
レタスをちぎり、一応サラダを用意した。
おかずの用意が終わり、パンを取り出そうとしたら、トースターからは、以上な程煙りが出ていた。
扉を開けたら、パンは真っ黒。
「今から焼き直す時間ないし、まぁいっか。」
私は、お盆にパン、いり卵、サラダをのせリビングに持っていった。
「おっ、お待たせ……」
私は、お皿をテーブルに並べた。
「なに?これ…」
「まいちゃん特製、炭火焼き風トースト&元は卵焼き、いり卵&ちぎりたてサラダ………」
「まい……。炭火焼き風って、もはや炭だろ」
「うっ。」
イタいところを突かれ、シュンとしていると……
「まぁ〜、可愛いから許す。一生懸命作ってくれてありがとう」
そう言って、達也は頭を撫でてくれた。
「あれ?まいは、食べないの??」
テーブルの上にあるのは、どう見ても一人分。
「うん。私だいたいお昼しか食べないから…」
「だからあんなに細いんだよっ」
「私細くないし…」
「どこをどう見て細くないんだよっ!」
「………。」
「まぁ、これからゆっくり食べるようにしよう」
そう、優しく微笑みながら言ってくれた。
心臓は、破裂しそうな程ドキドキしていた。