Bitter Chocolate
達也Side

思わず抱いてしまった。
嫉妬でどうにかなってしまいそうだった。

なぁ、まいは今誰を思って抱かれてんの?
聞きたかった。

けど、俺以外の名前がでてくるのが耐えきれなくて聞けなかった。
愛してるって言ったら、まいはどう思う?
俺から離れてく?
私達は、しょせんセフレでしょ、
って、笑う?

まいに、会いたくて帰ってきた。
まいを、独り占めしたくて帰ってきた。
まいを、惚れさせたくて帰ってきた。
まいに、愛されたくて帰ってきた。

けど、なかなかうまくは、いかない。
まいの心のなかは、俺じゃないみたい。

今日も、朝仲良さげに昨日の男と話していた。
俺は、ついムカついて怒っていた。
なにしてんだよ俺は…
喧嘩したいわけじゃない
ただ、口がいつの間にか動いていた。
まいは、何故か悲しそうな顔をしていた。
あの、大きな目から雫が落ちてきそうだった。

けれど、足が勝手に動き景色が前進していた。
まいは、学校にも来ないで…
夜も帰って来なかった。
外を探しにいったり、メールも電話もたくさんした。
しかし、まいは電源を切ってるみたいだし、夜遅くまでさがしたけど、見つからなかった。

朝、あんに幸せだったのに。
怒んなきゃ良かった。
俺の、餓鬼くさい感情が、憎い…
俺は、一睡も出来なくて朝をむかえた。
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