ねぇ、先生。
「…はっきり言うね。私のこと好き?」
『好きだよ。』
「大好き?」
『…うん。大好き。』
「じゃぁ…別れようなんて言い出さない?」
『なんでそう思うんだよ。』
ギュっと強く抱きしめられた。
嬉しくて、涙に目がたまって、ホッと安心した。
それもつかの間に、爆弾発言が飛んだ。
『うそ言わないでしゅん…。』
「え?」
『別れてよ。しゅんとひより別れてよ!あたしだけを抱きしめてよ。あたしだけを愛してよ。どっちか一人を選んでよ!』
嬉しいとはかけ離れた、涙が出た。
しゅんに抱きつくゆかりんを、黙って見てた。
雨が降り出した。
梅雨――――