叶わない恋。
「じゃあなんで学校来ないの??」
と、言う私の後ろでは
『そうだ、そうだ!!』
と、仁さんが小さな声で言っている。
「いろいろあるんだって。
ってか兄貴うるさいから部屋行こ。」
夏希はそう言ってリビングを出て行った。
『夏希もいろんなこと悩んでるみたいだから話聞いてあげてね。』
私がリビングを出て行こうとすると仁さんの声がした。
仁さんの方を向くと優しい笑顔を私に向けていた。
仁さんって
キリッとして目で
筋の通った鼻で
柔らかそうな唇を持っている
すっごい格好いい顔をしている。
しかもバスケをやっているから
背が高くて
筋肉もついている。
そして妹思い。
誰にでも優しい。
こんな完ペキな人あんまりいないよね…?
なんで彼女いないんだろ??
私、仁さんのこと……
ってそんな訳ないか…。
仁さんには良い印象持ってるけどね?
「陽菜?顔赤いけど、大丈夫??」
いつのまにか夏希の部屋の中にいた。
そして夏希に言われて気が付いた。
自分の顔が赤いことに…
って私、バカだよね……。