叶わない恋。




「夏希さ…なんで学校休んでるの?

ケガ治ってるのに。


みんな心配してるよ??」


夏希が階段から落ちた次の日に学校を休んだのは分かる。


でもその次の日もそのまた次の日も学校に来なかった。

みんなケガがひどくて学校に来れないと思っている。



「なんか学校行きづらいんだ…。


ってか陸に会わす顔がない。」


夏希は哀しい目をしている。



「なんで??

陸となんかあったの??」


でも幼なじみの2人なんだからちょっとしたことで拗れたりしないよね?



「実は…陸と付き合うことになった。」


夏希は静かに呟いた。


でもその声は明らかに後悔しているような感じだった。



「陸に甘えちゃったの??」


夏希のことならだいたいのことは分かる。


だから陸に会わす顔がないってことはこういうことでしょ??



「……………うん。」


弱々しい声で答えた夏希は


いつもの強い夏希のようではなくて

いつもの大人の夏希のようではなくて


すごく乙女だった。





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