叶わない恋。




「なんかあのときは無我夢中?


なんて言うんだろ……。

自分を見失ってた?って言うのか分かんないけど、

誰かに傍にいてほしくて思わず言っちゃってさ…。


頭冷やしてよく考えたらバカだなって思って、

陸に申し訳なくなった。」


夏希は哀しそうな笑顔を浮かべる。



「どうするの?

これからさ…」



「陽菜は…どうすればいいと思う?」


珍しく私に意見を求める夏希。

相当悩んでるな…。


でも夏希はどんな時も独りで高い壁を乗り越えてきた。

今さら私に助けを求めるなんて…。


「どうするかは夏希自信が決めることだよ?」


なんて意地悪なことを言った。


でも夏希にはこの一言で十分なんだよね。



「そうだよね…

あたし自身が決めることだよね。


ありがとっ!陽菜!!」


笑顔の夏希。



ほらね??


あたしの言った通りでしょ…??


夏希はもう自分で壁を乗り越えようとしてる。


私が何を言ったって結局は自分でなんでもやってのけてしまう。



だから私は少しだけ手を差し伸べる。


夏希は本当に強いんだ。





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