叶わない恋。




次の日


夏希は来週から学校に行くと言っていたので今日も学校にはいない。



「陸?ちょといい??」


朝教室に入ってきた陸に声をかける。



『いいけど??』


陸の返事を聞き私は黙って階段を昇っていく。



「…………………」


屋上に着いた私と陸。


だけど何を言えばいいのか迷っている私は口を開くことができない。



『陽菜?昨日夏希の家行ったんだって??』


私が黙っていると陸が言葉を発した。


「まあね。」



『俺が行っても夏希には会わせてもらえねぇんだよ。


仁さんが”ケガ治ってないから”って言ってさ…。


お前は夏希に会った??』



「少しだけ会ったよ。」


本当はたくさん会った。


でも夏希に


「陸にはケガが完治してることも

あたしと会ったことも言わないで。」


と、頼まれた。


そういう事情があり私は陸に嘘をついた。






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