叶わない恋。
『いらっしゃい。桐ちゃん。』
笑顔で俺を出迎える仁。
『夏希は?』
『桐ちゃんさ、夏希、夏希ってうるさいよ?
今、風呂に入ってるから大丈夫。』
仁はそう言いながら階段を昇っていく。
俺は仁の後ろを追って階段を昇る。
『ここが俺の部屋。』
仁は一つの部屋の前で立ち止まりドアを開ける。
俺はその部屋の中に入る。
『げっ…この写真なんだよ??』
部屋の中に入ると目についた数枚の写真。
『それ?俺の昔の仲間。』
胸を張って答える仁。
でもその写真に写っているのは明らかに不良の少年少女だった。
『お前…どんな仲間と連んでるんだよ?』
と、俺が聞くと
『桐ちゃんは万引きとか悪いことしまくってるヤツだと思ってるでしょ?』
仁はそう言いながら俺を睨んでいる。
『そ、それはなぁ…』
誰だってそう思うだろ?
すげぇ派手な単車の横に
色とりどり(?)の髪の毛をしたヤツらが映ってる写真を見ればな。