叶わない恋。




『なあ…桐ちゃん?』


沈黙の中先に口を開いたのは仁。


『ん?どうした…??』



『桐ちゃんさ、夏希に特別な感情持ってるでしょ?』


俺の方を向いた仁はニヤッと笑っている



『バカ言うんじゃねぇーよ。

そんなことあるわけないだろ?』


俺は平然を装う


『うわぁ~桐ちゃん演技力ないなぁ』


仁はケラケラと笑っている



『ホントのことだから演技力とか関係ないだろ?』


緊張しすぎて手に汗が滲む


『隠さなくたって俺には分かる』


また胸を張る仁はなぜか嬉しそう



『で、ここに俺を呼び出したのは、

まさかそんなくだらない理由じゃないよな?』


真剣に問う俺を見て仁の目も真剣になる



『夏希さ…親の愛って言うの知らないんだよ』


仁はそう前置きして話始めた






< 113 / 426 >

この作品をシェア

pagetop