叶わない恋。
考え 【龍貴】
『はい、おはよう。
いきなりだけど、みんなに嬉しいお知らせをします。』
あれから1週間近く経ち今日は月曜日。
朝、教室に入り俺はクラスを見回しながら言った。
『今日から夏希が復活します。』
俺が言い終わると同時に夏希が教室に入ってくる。
そうするとなぜか拍手が起こった。
「少し…話してもいいかな…?」
夏希は手で拍手を沈める。
『なんか夏希が話したいことあるみたいだから聞いてやって。』
さっき廊下を歩いていると夏希が
「みんなに言いたいことあるんだわぁ~」
と、俺に言ってきた。
そういう事情により夏希に時間を与えた。
「まずは心配かけたことを謝ります。
ごめんなさい…。」
深々と頭を下げる夏希。
クラスのみんなは俺の話を聞くよりも真剣な顔をして聞いていた。
「そして陽菜と男子のみんなにも…
ごめんなさい…。
心配してくれてたのに…
突き放すようなこと言ってマジごめん。
みんなにはあたしと同じような思いはしてほしくなかったから…。」
夏希は一度言葉を切る。
そして教師のようにクラス1人1人の顔を見回す。
やっぱり真剣に夏希の話を聞いている俺の生徒。
俺の生徒なのに夏希の生徒に見えるのは俺の目の錯覚か…?
と、思いながらも俺も夏希の話に耳を傾ける。