叶わない恋。
「でもさぁ~アイツに相当嫌われてると思うよ?」
ランニング中に夏希に話しかける。
「別にどうでもいいし~」
「アイツって中澤??」
そこへ友美がやってきた。
中澤とは英語の教師。
「そう!中澤のこと。」
私は友美の肩を叩く。
「中澤だったら私も嫌われてもいいなぁ~
だって超ウザイじゃん?!」
友美はね?ね?と言っている。
確かに中澤はウザイ。
なぜか女子ばっかり当てるし、
少し喋ってただけでキレだすし、
多分この学校であの先生のことが好きな人なんていないと思う…。
実際、私も嫌いなんだ。
『明日からテスト期間だから今日はちゃんと練習しろよ~』
後ろから桐ちゃんの声。
そして私たち3人のかたまりを見つけて桐ちゃんは走ってくる。
『俺に抜かされたら1周プラスなぁ~』
桐ちゃんが追いつくまであと数10メートル。
私たち3人はスピードをアップさせて走り出した。
夏希も友美も楽しそうに走っていた。
このあと起こる悲劇なんて誰も想像していなかっただろう。