叶わない恋。
『夏希?お前謹慎1週間なんだって?』
家に帰るともう冬休みに入っている兄貴に笑われる。
「なんか文句でも??」
『お前、やってもないことをやった、
なんてウソついて何の意味があるんだよ?』
兄貴は呆れたようにあたしを見る。
「別に?ただ言い訳したって誰も聞いてくれないからさ。」
学校なんてクソくらえだよ。
『桐ちゃんなら聞いてくれるだろ?』
そりゃあ、桐ちゃんなら聞いてくれると思うよ?
でも桐ちゃん1人の力じゃどうにもならないんだよ。
「聞いてくれたんじゃない?
ってか余分なことだけはしないでよ??」
あたしは兄貴に釘を刺す。
『さぁ~それは分かんないねぇ』
ニヤッと笑う兄貴。
「マジ、本気でやめてよ??」
マジも本気も同じような意味なんだけどね?
『よし、なら何も言わない変わりに本当のこと教えろ』
と、兄貴に言われあたしはさっきの出来事を話し始めた。