叶わない恋。




そのあとに教頭と学年主任も来た。


『海道さん。これは事実ですか?』


教頭はあたしにメモ帳を突きつける。



「これは、私のではありません。」


ゆっくりとそれでもしっかりと言葉を発する。



『そうですか…。』


安心したような教頭の声。



『教頭先生は海道を信じるんですか?


このメモ帳に書かれた文字は、
明らかに海道の筆跡ですよ??

ね?桐島先生もそう思われますよね?』


殴りたい衝動にかわれる。


でも桐ちゃんが震えているあたしの拳を押さえた。


そして桐ちゃんはあたしを横目で見ると


『海道の文字に似ています』

と、言った。


でも桐ちゃんに文句を言うつもりはない。


だって本人のあたしだって見間違えるほど筆跡が似ていたんだ。



『ほら、どうですか?

僕の言った通りじゃないですか』


勝ち誇ったような笑みを浮かべる中澤。


お前…ふざけんじゃないよ…。



それでも教師なのか?


気にくわない生徒にそんなことをして何が楽しい?


何が嬉しいんだ??


あたしは中澤を睨む。



『最終確認です。

これは海道さんのモノですか??』


あたしはふぅ~と息を吐く。


そして言った。




「そうです。私のモノです。」








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