叶わない恋。
真実 【龍貴】
『申し訳ありませんでした』
教頭と中澤先生の前で頭を下げる仁。
自分の高校の制服着てくりゃあいいのにわざわざスーツを着て現れた。
そして謝り終えて俺に合図を送ってきた
俺は重い腰を上げ屋上へ向かう。
『よっ!桐ちゃん!!』
仁はベンチに座って片手を上げている
『今、テスト中なワケよ。
だから俺もそんなに暇じゃないの』
俺は仁の隣に腰を下ろし言う。
『まあそう言わずにさっ』
仁は俺の肩に手を置く
『夏希がさ、ありがとって言ってたよ?』
『でも俺、夏希のこと助けられなかった』
俺は俯く
『聞こえてたらしいよ。
”夏希はやってないはずです!!
だから謹慎なんて……”
って抗議してる桐ちゃんの声。』
うわぁ~
俺、超はずかしいじゃん…
ってか格好悪ぃ~
『桐ちゃんは誰が本当だと思う?』
仁からの本気の質問。
でもお前なら俺の答えは分かってるだろ?