叶わない恋。
闘い 【陽菜】
『……………………』
「……………………」
私の向かいに座っている陸は何も喋らない
そして陸の向かいに座っている私も何も喋らない
こうなったのには勿論、理由がある。
学校が終わって駅にいると偶然陸に会った
そして成り行きで近くの喫茶店に入った
お互い話したいことは同じ。
それは夏希のこと。
でも何を話して良いのか
何から話せばいいのか…
お互い黙ったままだった
ブーブーブー
ピロピロピロ
そのとき同じタイミングで携帯が鳴った
「あっ仁さんだ…」
『あっ仁さんだ…』
2人で同時に呟いた
なぜかおもしろくて顔を見合わせて笑った
『もしかして内容は
”今日7時、俺んちの近くのファミレス集合
ちなみに桐ちゃん参加。”
だったりする??』
陸の言葉に私は縦に首を振る
「やっぱり夏希の話…だよね??」
陸は頷く
「じゃあ7時まで2人の考えまとめておこっか」
私の言葉でお互いの思っていることを口にした