叶わない恋。
『はい、これ被って』
バイクの前に来ると仁さんがヘルメットをくれた
「……………………」
真っ白のヘルメット。
これは…誰のなんだ…??
仁さんは真っ黒のヘルメットを被っている。
じゃあこれは誰のヘルメット??
私は真っ白のヘルメットを見つめる
『そのメットはダチのヤツ。
俺、彼女なんていないから』
仁さんは私の頭に手を置く
「そ、そうなんですか…」
バカなことを考えていた自分が恥ずかしくなる
『陽菜ちゃん…可愛いね』
仁さんはクスクスと笑う
自分の頬が赤くなっているのが分かり
慌ててヘルメットを被る
『じゃあ行こっか』
私はバイクにまたがる
『しっかり掴まっといてね。』
仁さんはそう言って私の腕を掴み自分の腰に回す
ドキドキドキドキ
胸の高鳴りがもう半端ない。
そっと仁さんの背中に耳を当てると
ドキドキドキドキ
私と同じくらいの速さだった
仁さんも…私みたいに緊張してるの…??