叶わない恋。
『でもさ、桐ちゃん。
夏希に…なんて言えばいい??』
あーーーーーーーっ!!
そうじゃん!!
それ、めっちゃ大事なことじゃん!!
俺もすっかり忘れてた…
『夏希は多分喜んでくれないよな。
アイツ…ヤバイくらいに格好付けだから…』
仁は俺を見つめる。
そんな子犬みたいな潤んだ目で俺を見つめるな!!
ってかお前、男だろ?!
だーーーーーっ?!
俺、どうすることもできねぇーよ??
『なんて言うの?!
ねぇ、桐ちゃん!!』
よしっ、決めた!!
『また、みんなで決めよう!!
夏希が謹慎解けるまで4日もあるだろ?!』
俺にしてはなかなかの名案だ、と自画自賛。
『それしかなさそーだよ。
あっ、陽菜ちゃんと陸!!』
丁度、陽菜と陸が現れた。
『作戦成功。』
仁はそう言って陽菜と陸とハイタッチ。
なんか仁がめっちゃ幼く見えてきた…
すっげぇ大人っぽい顔してるのに笑うと幼く見える。
『桐ちゃん、何笑ってるの??』
顔が緩んでいることに気が付かず仁に突っ込まれる。
『なんでもなーい!!』
俺はそう言って車までダッシュしたのだった…