叶わない恋。
【キーンコーンカーコン】
そこへチャイムが鳴った。
『じゃあ行きますか。』
中村の一言で立ち上がる俺。
『生徒の名前はゆっくり覚えればいいですよ。』
廊下を歩きながら先輩としてアドバイス。
『僕、もう顔と名前全員覚えました。』
……今、なんつったぁ?!
顔も名前も覚えたぁ?!
『やる気マンマンじゃないですかぁ
桐島を蹴って担任目指したらどうですか?!』
と、言う中村を俺は出席簿で殴る。
『いでっ!!冗談に決まっとるだろ?!
本気にするバカがおるか!!』
本気で怒るバカがおるか!!
と、心の中で叫ぶ俺。
『2人とも仲いいんですね。』
そんな俺と中村を見て笑っている島先生が言った。
『『そんなことありません!!』』
なぜか合わさった俺と中村の声。
『じゃ、また職員室でなぁ~』
いつのまにか教室に着いた俺たち3人は手を振って分かれた。
『みんないい奴ばっかりなんで緊張しずに
気楽に頑張ってくださいね』
俺はそう言って教室のドアを開けた。