叶わない恋。
「大ちゃん、もうみんなの名前覚えたの??」
思ったことを口にしたあたし。
『覚えましたよ。
あなたは夏希さんですよね?』
す、すごいぞ…大ちゃん。
みんな感激している様子。
『はい、質問タイム終了。
次、俺の授業だからちゃんと用意しとけよ~』
桐ちゃんは大ちゃんと職員室に帰って行った。
「ヤバくない?!大ちゃん!!
ちょー格好いいじゃん?!
なんかドキドキするしっ」
友美は興奮気味。
「桐ちゃんも格好いいけど大ちゃんも負けてない!!」
こちらも興奮気味の陽菜さん。
「それはおめでとうございます。」
あたしは大ちゃんにそこまで興味はないね。
ま、でも友達にはなりたい先生かも。
「桐ちゃんいるからいいもんねぇ~」
ニヤニヤと笑う陽菜。
「うるさいよ、陽菜。」
ボカッと陽菜を叩く。
『はい、そこ座れよ~』
桐ちゃん登場。
ったくさ、陽菜も何言ってるんだか…。
と、思いながらも社会の準備をする。
『今日は急遽小テストやるから。』
なぬぅぅぅ?!
小テストってなんですか?!桐ちゃん…
私の思いも無駄に終わり配られるテスト用紙。
「…………………………」
なんですか、これ??
あたし、実は社会が大の苦手で…
今、目の前にあるこの問題たち。
まったく分かりません…
諦めた私はシャーペンを置く。
どーせまた、桐ちゃんに呼び出しくらうんだろーな。
そしてあたしは深い眠りについたのだった…
『じゃあ夏希は掃除終わったら職員室来いよ。』
帰りのホームルームで言われた一言。
今日の小テストの話だろーな…