叶わない恋。
『じゃあ、ジャージに着替えてグラウンドに来てください』
島先生は立ち上がり急いで更衣室に行った。
『なぁ・・・桐島・・・・・・』
すっかり存在を忘れていたよ、中村・・・
『ん?なんだよ・・・』
なかなか言葉を発しない中村。
俺が中村のほうを振り向くと
『何そんな顔してんだよ・・・??』
中村はかなり深刻そうな顔をしていた。
『お前の中で海道って”特別な存在”だろ??』
『あ、あぁ・・・・・・』
前にそんなようなこと、お前に言ったっけ・・・??
『きっと島先生の中でも海道は”特別な存在”だぞ??
あくまでも俺の予想だけど、お前のライバルになりかねん。』
中村は最後にまっ頑張れや、と声をかけ職員室を出て行った。
どういうことだ・・・??
島先生の中で夏希は”特別な存在”なのか・・・??
それは、俺と同じってことだよな・・・??
今日初めてあった生徒にそんな感情を・・・・・・
俺はそんな思いを吹っ飛ばすかのごとく首を横に振った。