叶わない恋。
「しつれーします。」
それからチャイムが鳴り、職員室へ…
『おー夏希。肘の調子はどうだ??』
最近の桐ちゃんはあたしの顔を見るといつも言う。
「桐ちゃんさ…いい加減ウザイよ??
何度も言うけど調子とか全然いいから…」
はぁ~と溜め息をつく。
『夏希…桐島先生が可哀想です。』
と、自分のクラスから戻ってきた大ちゃん。
『そうだぞ…海道。桐島をイジメるな。』
と、こちらも戻ってきた中ちゃん。
「桐ちゃんがうるさいからだし…」
誰にも聞こえないような小さな呟きを漏らす。
「で、用事は何??」
『あ~えっと試合の日が決まった。
今週の日曜。だから練習に追い込みかけようと思う。
いいか……??』
いいか?なんて聞かなくても
そんなこといいに決まってるでしょ??
「メニューはどうする??」
そこから大ちゃんも加わり作戦会議。
『じゃあまた授業後。
授業頑張れよ~』
と、桐ちゃんに見送られる。