叶わない恋。
『あの…好きな人のことは何かありましたか??』
あたしのほうには向かずに満月を見つめている大ちゃん。
なんかいつもと…違うよね??
「なぁ~んにもない。
まず、何かある可能性もないよ。
”叶わない恋”だからね。
大ちゃんはどうなの??」
拾い忘れたボールを見つけたあたしはそのボールを拾った。
そして座りながら壁当て。
なかなか難しいなぁ……
『僕も何もありません。
夏希と同じ”叶わない恋”ですから。
夏希の好きな人ってどんな人なんですか??』
どんな人…??
「そーだね。
精神年齢が低くてさ、
すぐにムキになったりして…
一緒にいて飽きない人かな??」
少し恥ずかしくなってあたしは立ち上がった。