叶わない恋。
『プレーボール』
審判の言葉を聞き、あたしは深呼吸する。
そして大きく振りかぶった。
『ストラーイク』
『「おぉぉぉぉ」』
なぜか1球目を投げ終わったあと起こった歓声。
なんで…歓声??
ってかなんか気持ち悪いよ…?
思い切り投げられないってこんなに気分悪くなる??
陽菜から返ってきたボールを手の中で転がして遊ぶ。
なんかイヤだなぁ………。
と、思いながらもまた大きく振りかぶる。
肘に負担をかけないように体全体で投げる。
きっといつもと投げ方違うんだろうな…。
あたしの投げたボールは
バットにかすることなく
陽菜のキャッチャーミットに吸い込まれた。
『ストラーイク』
また、ストライク。
なんか調子いいみたいだね、肘くんよ。