叶わない恋。
『お前ら、いい加減攻撃しなさい。』
桐ちゃんは若干呆れ顔。
いい加減攻撃しなさい、って言われても…
できないから仕方ないでしょ??
7回まで来て、0-0。
ここから延長戦に突入。
お互い投手戦になっている。
そろそろあたしの肘が悲鳴をあげる。
どうか…その前に点数を取りたい。
「みんな気合い入れていくよー!!」
と、あたしが叫ぶ。
次はあたしたちの攻撃。
「夏希からだよ。」
あっそうだった……
この回の一番はあたしだ。
ヘルメットを被りバットを持って打席へ行く。
2回くらい素振りをして構える。
相手のピッチャーはなかなかのやり手だ。
まずスピード。
とにかく早い。
すごく鍛えてるんだろうな。
そして次にコントロール。
ボールが早いのにちゃんとキャッチャーが構えたところに行く。
うん、さすが準優勝チームのピッチャーだ。