叶わない恋。




「…ハッ…痛い……。」


肘の痛みから目を逸らそうと思っても


それが、どうしてもできない。



それくらい、痛かった。


私の肘…もうちょっと、もうちょっとだから頑張ってよ…。


『フォアボール』


なんで…なんでなのよ?!?!


あたしが、あたしが何をしたって言うの?!


どうして、どうしてストライクが入らないの?!


手にどうして感覚がないの……??


あたしはぎゅっと拳を握った。



『タイムっ!!』


桐ちゃんが審判に声をかけ、あたしのもとまで走ってくる。



『夏希…??


どうした??』


陽菜もあたしのもとへ駆け寄る。



なんか…惨めだな。



格好悪いな……。






< 231 / 426 >

この作品をシェア

pagetop