叶わない恋。
「ちょっと肘の調子が悪いみたい。
友美と交代しよっかな??」
ちょっとどころの痛みじゃないけど強がるあたし。
そしてみんなのために、あたしはマウンドを降りるよ。
『ダメだ。
控えなんて用意してない。
どんな結果になろうとも誰もお前を責めやしない。』
と、桐ちゃんが言うと陽菜はウンウンと頷いた。
「夏希が頑張ってたのはみんなが知ってる。
そんな夏希を責めるワケないじゃん!!」
陽菜はポンッとあたしの肩を叩き自分の持ち場に帰って行った。
『夏希、無理だったらいいけど…。
でも、最後の大会なんだ。
悔いだけは残さないようにしろよな。』
何かを知っているかのような口ぶりの桐ちゃん。
もしかして桐ちゃん、あたしの肘のこと気づいてる…??