叶わない恋。



そして家とは反対の方向へ歩き出した。



【ポツッ ポツッ ポツッ】


川沿いを歩いていると急に雨が降り出した。



歩いていた人は駆け足で家路へと急ぐ。



そんな中であたしはゆっくりと足を進めていた。


段々と雨脚は強くなる。



まるであたしの心の中のようで。



言葉には言い表せない



心に付いた深い傷に雨が染みる。



ついに我慢できなくなったあたしはしゃがみ込んだ。



「どうして…どうしてなの…」


頬に滴がつたう。



これは雨なのか、




涙なのか、それも分からない。



駆け足で通り過ぎる人たちはあたしを不審そうな目で見ている。



哀れなあたしを見ないで…。



強がって毎日を過ごしてきたあたしも




今回のことではもう強がることもできなかった。



赤井みどりにイジメられたときも



どんなときも



強がって、大人ぶって



必死で頑張ってきたのに、




どうして





どうして





どうしてなの…??








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