叶わない恋。
「き、桐ちゃんって彼女いたの?」
みんなを代表してあたしは友美に聞く
「それがね、昨日お母さんと買い物に行ったとき見ちゃったの…。」
ニヤニヤと顔を緩ます友美。
そしてクラスの全員が息を呑む。
「手繋いで仲良さそうに歩く桐ちゃんとキレイな女の人の姿を!!」
『お前らチャイム鳴ったぞ~。
早く席着いて読書しろよ。』
友美が言い終わると同時に桐ちゃんが教室に入ってきた。
「桐ちゃん…………」
あたしは桐ちゃんの前に仁王立ち。
『おう?どうした…??』
「今から聞くことに正直に答えてほしいんだけど?」
クラスのみんなが頷く。
『え?な、なんだよ……?』
そんなあたしたちを見て驚きを隠せない桐ちゃん。