叶わない恋。
あたしは一度クラス全員の顔を見渡す。
そして言った。
「桐ちゃんって彼女いるの…?」
と。
『は?そんなことなの…??』
桐ちゃんは呆気にとられた様子。
「で、どうなの?!?!」
あたしは机に手を置く。
『それは…プライベートのことなんで言えません。』
桐ちゃんはそれだけ言って本を開く。
「き、桐ちゃん………」
あたしはフツフツと湧き上がる怒りを抑える。
「『ブーーー』」
クラスからは大ブーイング。
あたしは笑いを堪える。