叶わない恋。
3者面談 【龍貴】
『じゃあ今日から3者面談だから4時間授業になる。』
と、俺が言うとみんなの顔がパァッと明るくなった。
『はい、そんなに嬉しそうな顔しない。』
俺はみんなに注意する。
でも、俺も学生のころこんなんだったんだろうな…。
授業が2時間潰れるだけで喜んで…
『じゃあホームルーム終わり。
チャイム鳴るまでは静かにしとけよ。』
俺はそう言って教壇のところにあるイスに座った。
みんなの無邪気な笑顔を見ていると安心する。
なんでか分かんないけど、安心するんだよな。
でもやっぱり子どもと言うものは困ったものだ。
『それでも中3かよ…。』
と、思わず呟きたくなる。
だって男子たちが掴み合いのケンカを始めたから。
俺は渋々立ち上がる。
めんどくさいな、と思いながらも
『いい加減にしろ!!』
と、大声で怒鳴ってやろうと思った。
なのに
「お前ら、幼稚すぎ。
もっと大人になれや、ボケ」
と、俺よりもキツーイ言葉を吐き男子のケンカを止めたヤツがいた。