叶わない恋。
『なんで桐ちゃん、気づいたの?
と、でも言いたそうな顔だな。』
俺は陽菜の顔を指し笑う。
ホントに間抜けな顔してるよ。
「うるさいわっ!!
でも、ホントになんで??」
『そりゃあ見てたら分かるよ。
それに俺1回見たことがあったんだ。
夏希がグラウンドをすっげぇ悲しそうな瞳で見つめてたところを。
でな?グラウンドに何があるのか気になって俺も見てみた。
そこには…………』
「ソフト部が練習していた。」
陽菜は俺の言葉を遮って言った。
『そういうこと。』
あのときの夏希の瞳は今も忘れられない。
アイツははまってしまったんだ。
ソフトボールの魅力に。
でもソフトボールが大好きなのに、夏希はもうできない。
そんなの苦しすぎる。
だから俺は考えたんだ。
夏希がどうすればソフトをまたできるようになるのか。
そして俺は1つ、ある方法を思いついた。