叶わない恋。




「で、なんだっけ??


進路のこと?」


机に伏せたまま俺に問う夏希。


俺はゆっくりと頷いた。


「そ。


あたしはこのまま高校行くから。


受験なんてもうこりごり。」



うちの学校は中高一貫。


だから大抵のヤツはこのまま高校へ上がる。


だけど成績が足りないヤツや


スポーツ推薦で


他の学校に行くヤツもいる。



『お前に推薦来てるんだ。』


俺は夏希を真っ直ぐに見つめた。



夏希は俺の言葉を聞いて驚いたのか起きあがった。



「どこから?


ってかなんで…??」



『ソフトの有名な学校から。


そこの顧問の先生が俺の先輩なんだ。


県大会でのお前に惚れたらしい。


あと、陽菜と友美にも声がかかってる。』


夏希は俯いて自分の手をいじっていた。




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