叶わない恋。
「陽菜と友美は行くって??」
夏希はまだ俯いている。
『2人は行きたい、って言ってた。
ソフト好きだから…って2人とも同じこと言ってたよ。
夏希も……『ねぇ、桐ちゃん』
俺の言葉を遮った夏希は顔を上げた。
「あたし、もうソフトできないの。
もう、投げられないの。
なのになんで推薦の話なんてあたしにするの??」
俺を睨む夏希。
どうしてもう諦める?
お前はソフト好きなんだろ??
なんでもうできないなんて言うんだ…?
『俺、言ったよ?
”夏希の右肘は爆弾を抱えてる”
って。
けど先輩は
”確かにピッチングもいいが
それよりも魅力的なのはバッティングだ”
って。
”マネージャーとしてでもいい。
みんなの手本になってくれればいいんだ。”
先輩は相当お前がほしいらしい。
どうする……??
それでも行かないのか…?』