叶わない恋。
『あのさ、キミの大事な妹さん。
生徒会長室で爆睡してるんだけど…??』
ゆっくりと夏希へ視線を落とす。
相変わらず、気持ちよさそうだな。
『はっ?!マジで?!?!
っていうか、なんで生徒会長室?!』
仁の驚いた声。
『あれ…??
もしかして仁、知らないの??』
さっきの反応からするときっと知らないんだろうな、仁は。
『え?何をですか??』
やっぱり知らないんだ。
夏希が生徒会長やってること。
『夏希、後期生徒会長なんだ。
知ってた??』
それからしばし沈黙。
『俺、聞いてないよ。』
仁のか細い声が聞こえた。
アハハ。
やっぱり知らなかったんだ。
夏希、そんなこと言わなさそうだもんな。