叶わない恋。





『僕、全然いい男なんかじゃないですよ。



どーやら、夏希には好きな人がいるらしいです。』


渋い顔をする島先生。



夏希に、好きな人…??


やっぱり俺の恋は実らないんだよな…。



『そーなんでしゅかぁ……』


フニャフニャと言いながら眠りに落ちた中村。


どんだけだよ!!



『桐島先生。』


急に真顔になった島先生が俺の名前を呼ぶ。



『はい、なんですか??』



『僕、諦めきれません。


夏希のこと。



でも、僕は好きな人には幸せになってほしいから夏希の恋を応援することにしました。』



それで、俺に何が言いたいんですか…??


俺は黙って島先生の言葉を待つ。



『ちゃんと、自分に正直になってください。


自分の気持ちを抑えることは相手にとって幸せとは限らない。



それだけは覚えておいたほうがいいと思いますよ。』



そう言って島先生はいつもの爽やか笑顔を浮かべた。



今の口ぶり……


やばくないか??



なんか島先生に俺の気持ち、バレてない??





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