叶わない恋。
【ガタッ】
「「友美!!!」」
桐ちゃんの言葉が終わると同時に職員室を飛び出した友美。
私と夏希は友美の名前を叫んだだけで、動くことができなかった。
何かに囚われたように手や足が震えて動かない。
横目で夏希を見る。
夏希は私のように震えてはいなかった。
でもギュッと拳を堅く握っている。
「桐ちゃん。」
顔を上げて桐ちゃんを見つめる夏希。
目はしっかりと桐ちゃんを捕らえていた。
「さっきのこと、ホント………??」
私は心の中でウソでありますように。
冗談でありますように。
と、願う。
だが、そんな願いは
『本当です。』
と、大ちゃんの一言によって簡単に打ち消されてしまった。