叶わない恋。





「友美だけが、合格できなかったの??」


恐る恐る口を開く私。



桐ちゃんと大ちゃんは同時に頷いた。


それと同時に


【ガタッ】


夏希が職員室を飛び出した。


私もそれを追うようにして職員室を飛び出す。



さっきまで私を囚えていた何かが一気に解けた。



「友美?!」


必死に友美の名前を叫ぶ私と夏希。


友美、どこにいるの?!



「陽菜………。


いたよ。」



夏希の額には汗が浮かんでいる。



私は夏希の指の方向を見た。




「……………友美。」


そこには膝に顔を埋めている友美の姿があった。






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