叶わない恋。





「友美、陽菜。」


どれくらい泣いていたのか分からない。


でも、顔を上げたとき夕日は沈んでいた。



「あたし、やるよ。


また、ソフトやる。」


夕日の代わりに顔をだした月を見つめながら夏希が言った。



「なんかソフトやりたくなっちゃった。


ブランクはいっぱいあったけど、また1からやる。」


力強くそう宣言した夏希。


やった!!


また、夏希の球を受けられる。



「でも、肘…どうするの??」


遠慮がちに聞く友美。


そう言えば夏希、肘が悪いんだよね?

もう、治らないんだよね?


『左があるだろ。』


夏希の頭に手を置いた人物。


それは、夏希が大好きで仕方ない


「「桐ちゃん…」」


だった。









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