叶わない恋。





『迷ってるのか?


それとも…





…疲れてる??』



ん?と、言って桐ちゃんは俯いているあたしの顔を覗き込んだ。



桐ちゃん。


どうして??


あたしが今、1人でいたいこと、桐ちゃんなら分かるでしょ?


あたしのことなんでも分かるんだ、って前自慢してたじゃない。



それなのにどうしてそんなこと聞くの??



『そうか、夏希。


俺、邪魔か?


1人で居たいか??』


桐ちゃんはあたしから視線を逸らした。



『なぁ、夏希。



少し頑張りすぎじゃないのか??


たまにはゆっくり休めよ。



たまには泣いてスッキリすれば??』



そう言って桐ちゃんはあたしの頭に手を置いた。



やめてよ、桐ちゃん。


人の温もりとか優しさとか、


あたしは慣れてないの。


そんなことされたら、



本当に泣いちゃうじゃない。



桐ちゃん、




やめてよ………。






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