叶わない恋。
「桐ちゃん。
分かってるならさ、
あたしのことなんでも分かるならさ、
お願いだから、
1人にしてよ…。」
ゆっくりと1つ1つの言葉をはっきりと発したあたし。
桐ちゃんがどんな顔をしているかは見えない。
でも、まだ隣にいるのは確かだ。
だって、あたしの頭の上にはまだ桐ちゃんの手があった。
『夏希はなんで泣かないんだ??』
桐ちゃんの淋しそうな声が聞こえた。
桐ちゃん。
そんな質問しないで。
ホントに、泣いちゃうよ…。