叶わない恋。
みんなが生徒会室を去ったあと、生徒会長室へ入った。
ドカッとイスに座る。
この気持ちいいイスとも今日でお別れだ。
もっと校長気分を味わいたかったな、
なんてね。
少しぼーっとしたあと、鞄を手に取った。
ファイルから手紙を取り出す。
封筒には桐ちゃんなりに頑張ってキレイに書いた
”海道夏希”
の、文字。
桐ちゃんの字は丸っこい字だから分かりやすい。
手紙を手に取る。
でもなかなか開けられなかった。
なぜか怖くて、手紙を持つ手が震える。
何ビビッてるの??
そんな怖いこと、桐ちゃんが書くワケないでしょ?
頭では分かっているつもりなのに、手の震えが止まらない。