叶わない恋。
『陽菜!ちょっと待てよ!!』
俺を見て逃げようとした陽菜の腕を掴む。
「桐ちゃん………。」
俺の顔を見てまずそうな顔をする陽菜。
『夏希のことなんだけど……。』
「大丈夫!!夏希は大丈夫だから!」
陽菜は俺の言葉を遮って言った。
『でもアイツ元気ないじゃん?』
俺の手を必死に振りほどこうとする陽菜。
でも俺は手を離そうとしない。
夏希の元気がない理由を陽菜は絶対知っている。
そう俺は確信したから。
「き、桐ちゃんの気のせいだよ!」
ね?と首をかしげる陽菜。
『俺の気のせい…???』
「そう!気のせいだから。
うん!じゃあ部活でね。」
陽菜はそれだけ言って俺の前から姿を消した。
んーーーーー??
俺の頭にはハテナマークが大量に浮かぶ。
んーーーーーー??
考えれば考えるほど分からなくなる。
どうすればいいんだ…??