叶わない恋。
俺は静かに話しはじめた。
彼女に振られたことを。
話しているうちに感情が高まってまた涙が溢れそうになった。
「そっか……。
桐ちゃんもいろいろ大変なんだね…。
泣きたかったら泣けば??
誰にも言わないからさ…」
ニコッと優しく俺に笑いかける夏希。
夏希。
お前は一体なんなんだよ…。
どうしてそんなに大人なんだ?
まだ14歳だろ…??
教師生活3年目の俺だけどお前みたいなヤツ見たことない。
14歳のくせにすごく偉そうで、
すごく大人で、
すごく冷静なヤツ…見たことない。
「桐ちゃん…??」
夏希は微動だもしない俺を不思議そうに覗き込む。
『俺…泣かないからな。
夏希だって辛いときには泣いたらどうなんだよ??』