叶わない恋。
出会い 【龍貴】
『んー。
明日は余裕だろ?』
俺は手元の資料を見ながら呟いた。
「まあ大丈夫だろうけど、油断は禁物でしょ…??」
俺の向かいに座って偉そうに言う夏希。
コイツはホントに俺のことをバカにしている。
まず俺のことを教師として見てないと思う。
『それくらい分かってるよ。』
俺は拗ねた子どものように言う。
そうするとコイツは必ず言うんだ。
”大人げない”
と。
「桐ちゃん…大人げない。」
ほら言った…。
『そりゃあどうもすいませんねぇ…』
俺は今度はノートパソコンの画面に目を向ける。
「そういうところも大人げない。」
と、呟いて夏希はパソコンの画面を隣から覗く。
コイツは一体なんなんだよ……?
いつもいつも上目線で
いつもいつも偉そうで…
ってこれは今に始まったことじゃないか…