叶わない恋。





授業と授業の合間の休憩時間。


陽菜はいつもあたしの席にやってくる。

そして今もあたしの前に立っている。



「ねぇ…陽菜……。


もうあたしと関わるのやめな??」


俯いたままあたしは呟いた。



「え?何言ってるの??」


驚いている陽菜。

当たり前だよね……。



「陽菜とはもう一緒にいられない。

絶交しよ…………。」


今度は陽菜の目を真っ直ぐに見つめる。


あたしの言葉が終わると同時に陽菜の目から涙が零れた。


そして陽菜はあたしを睨んで教室を出て行った。



『おい?海道……。

あんなこと言わなくてもいいじゃねぇの?』


近くにいた男子があたしに声をかける。



「いいの。

あたしのことほっといてくれる?」


冷たく言い放つあたし。


男子からの鋭い視線が痛い。


向こうからしたらムカつくのだろう…。


それもそうだ。


こっちは心配してるのに

”ほっといて”

なんて言われたら誰だって頭にくるだろう。





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