叶わない恋。





―Side 龍貴―



『なあ…陽菜……??』


夏希に逃げられたあと部室の前に座り込んでいる陽菜に声をかける。




「ん…?なに??」


最近の陽菜は元気がない。



『なんかあったのか……??』


俺は陽菜の隣に座り込む。



「なくはないんだ…。

でも、それは言えない。」


陽菜は俯く。



『夏希とケンカでもした??』


陽菜は俯いたまま首を横にふる。



「したけど…夏希は悪くない…。」


と、小さな声で呟いた陽菜。



『陽菜が夏希になんかやったの?』


この質問にも陽菜は首を横にふる。



「私も夏希も悪くないの…。


悪いのは…悪いのは……」


そのまま黙り込んでしまった陽菜。




何があったんだよ…??





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