叶わない恋。
と、そんなこんなで俺と夏希は初めて顔を合わせた。
夏希の第一印象は
『ソフトボールの体つきだ!!』
ってことだけだった。
夏希を見た瞬間、
全身に鳥肌が立った。
身長もほどほどで、
肩幅が広くて、
ソフトボールをやるにはぴったりだった。
「よろしくお願いします。」
そう言って俺にニコッと笑った夏希。
それを見ててっきり真面目な子なんだと俺は思いこんでいた。
その間違いに気がついたのは夏希が入部して3日目くらい経ったときだった気がする。
『夏希?お前バッターやれよ。』
と、俺が夏希に指示を出す。
「めんどい……」
そうするとそんな呟きが聞こえた。
まさかと思って振り向くと
『なんですか?桐ちゃん』
と、反抗的な目で見つめられた。
その瞬間全てを把握した俺。
コイツは猫被っていたんだと……