叶わない恋。
『……………?!』
目を見開く陸。
それもそうだろう…。
一度あたしは陸を振った(?)んだから…。
『え…?でも夏希は桐島のことが…』
「陸!!」
あたしは陸の言葉を遮る。
「お願い……。
桐ちゃんのこと…忘れさせて?
あたしには…陸が必要なの。」
桐ちゃんを忘れるために陸を利用した。
陸が知ったらきっと幻滅するだろう。
それでもあたしはもう、1人になりたくなかった。
孤立したくなかった。
誰かに傍にいてほしかった。
『いいよ。』
陸はそう呟きあたしをぎゅっと抱きしめた。
『俺が桐島を忘れさせてやるよ。
お前は必ず俺に惚れるよ。』
抱きしめられているから陸の表情は分からない。
だけどきっと泣いてると思う。
肩が少しだけ震えていた。
今でも思うんだ。
このときのあたしの選択はあっていたのかな?って。
でも誰も答えを教えてくれない。
答えはあたし自身にしか分からない。
きっとこのときのあたしの選択は……